みなさん、こんにちは!株式会社シゲンの産廃系女子(@shigencompany)です。
今回はRCF(リフラクトリーセラミックファイバー)について解説します!

RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)とは?

突然ですが、みなさんはリフラクトリーセラミックファイバーってご存知ですか?
通称“RCF”と呼ばれており、日本では昭和30年代から製造が開始されています。

RCFは、アスベスト(石綿)の代替品として、製品の熱が触れる部分に使用されています。
例えば、実験用のドラフトチャンバーや、高温状態が必要になる恒温槽、ボイラーの炉内や自動車や船舶、建築建材など様々な製品に使われています。

主成分は、アルミナとシリカをほぼ同量に配合、混合し、繊維化し、ブランケットとしてや耐火煉瓦のように硬いブロック状の物など様々な形に成形されています。

RCFは危険な物なの?

実際にアスベストの様に人的健康被害のデータはありません

ただし、RCFの短繊維については、平均繊維径が2〜4μm程度です。
呼吸器系に吸入される繊維状物質のサイズは繊維径が3μm未満、アスペクト比3以上、長さ200μmといわれています。その中で、発ガン性に関与するサイズは直径1μmでアスペクト比5以上と考えられています。(スタントンーボッツの仮説)

この事を考えると、RCFは呼吸器系に吸入されるサイズで、少なからず発ガン性に関与するサイズも含まれるといえます。

現在、様々な国で、動物実験が行われていて、腫瘍が発生することがある事も確認されています。そのため、IARC(国際がん研究機関)では発ガン性の可能性がある、EUなどでは確率的に発ガン性ありといった分類になっています。

日本における法律規制

それでは、日本ではどのような規制があるのでしょうか?

RCFについて国で行う「化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価」を行ったところ、リスクが高く規制が必要であるという結論になりました。

この事から、厚生労働省では、粉じん障害予防規則の対象物質とし、労働者の健康障害防止策を強化することを目的として、平成27年8月に「労働安全衛生法施施行令の一部を改正する省令」、平成27年8月に「労働安全衛生規則の一部を改正する省令」が公布され、平成27年11月に施行適用されることになりました。

この改正で、RCFは特定化学物質の第2類物質に位置付けられるとともに、特定管理物質となりました。

労働安全衛生法で追加された内容

①容器、包装へも表示(ラベル)
RCFを重量の1%以上含有する製剤、その他のものを容器・包装に入れて譲渡、提供する場合は、その旨表示

②文書の交付等
RCFを0.1%以上含有する製剤、その他のものを提供する場合は、安全データシートの交付などにより、定められた情報通知

③規制される作業の明確化
1%以上含有される製剤その他のものが対象で、製造または取り扱う作業が規制の対象

④発生抑制措置など
RCFを製造、取り扱う作業について、RCFなどから発散する粉塵に、労働者がさらされること(暴露)を防止するために、局所換気装置や換気装置を設置し、定期的に点検を行うなどの措置を取る

⑤作業主任者を選任
作業主任者を選任し、労働者が安全に作業できる様指揮島換気装置の点検や保護具の使用状況などを監視する。

⑥作業環境測定の実施
RCF等を製造、取り扱う屋内作業場では、6ヶ月に1回作業環境測定の実施とその評価結果に応じた適切な改善を行う

⑦健康診断
RCFを取り扱う作業員に対して6ヶ月に1回、特定健康診断を実施

廃棄物の処理の実情

RCFを取り扱う作業員の健康障害を防止するため、労働安全衛生法でしっかりと安全と健康管理をして行くことは明確になりました。

では、廃棄物処理の過程ではどうでしょうか…?
廃棄物の処理に関しては、ご承知の通り「廃棄物処理と清掃に関する法律」が適用されます。
今回の改正で廃掃法も改正されたか…というと、全く改正はされていません。
現在のところ、特別管理産業廃棄物にも該当せず、普通の廃棄物、ガラス陶磁器くずで処理ができてしまいます。

そのため、廃棄物の処理を委託する排出事業者が情報提供をしてくれない限り、また、RCFについて十分な知識を処理業者が持たない限り、知らず知らずのうちに他の廃棄物と同じように処理をされている…というのが現状です。
なかにはアスベストと同じレベルで取り扱いをするといった独自の方針を設定している処理業者もあります。

RCFは、アスベストの様に数十年後に健康被害があったと言われてしまう可能性もある物質です。排出事業者、処理業者問わず自分達の健康を守るため、正しい知識を持つ事が大切です。
管轄する行政によって温度差があり、わたしたち廃棄物処理業者は健康面でも危険にさらされてしまうこともあるのです。

「適正処理」と言うとどうしても法律に基づき環境面に配慮した処分のことだけと考えがちですが、廃棄物を排出する側、処理をする側の両方が処理を行う作業員の健康にも十分配慮することも適正処理に通ずることだということをお互いに忘れてはいけないですね。

※参考文献:厚生労働省 平成27年11月の特定化学物質障害予防規則・作業環境測定基準等の改正 日本高温断熱ウール工業会 製品の取り扱いについて